建築レポート

2025.12.20

『落下の王国(THE FALL)』その場所の持つ力

先日、サールナートホール/静岡シネ・ギャラリーで

『落下の王国(THE FALL)』を鑑賞してきました。

高校生の時に、美術の先生が教材としてこの映画のワンシーンを見せてくれて、

独特な衣装と映像美に惹かれ、いつか全編しっかり鑑賞したいと思っていました。

(他にも、Alexander McQueenの写真集や、

ヤン・シュヴァンクマイエルのアリスを観させてくれるような趣味の先生でした。)

作品が廃番状態になっており、今回待望の再上映ということで、

入場制限がかかる劇場もあるなど大きく話題となっています。

静岡では2週間限りの上映ということだったので急いで見に行きましたが、

反響が大きかったようで年内いっぱいは続映されるようです。

 

予告編を見ていただくだけでも、映画のスケール感が伝わると思います。

そもそものロケーションと構図が素晴らしく、

CGをほぼ使用せず撮影された映画だからこそ、

1シーン1シーンの美しさに説得力と凄みが増しています。

 

広大な砂漠のシーンや、スーフィーダンスが印象的な結婚式のシーンなど、

象徴的なシーンが都度都度出てきますが、

私が一番強く印象に残ったのは階段井戸を用いた敵襲のシーンです。

©2006 Googly Films, LLC. All Rights Reserved.

 

この映画は、ターセム・シン監督というインド出身の方が製作しており、

この作品の主要なロケ地はインドとなっています。

この階段井戸もインドのチャンド・バオリという8~9世紀の建築物です。

3500段以上、深さ30mの幾何学的な美しい空間に、

黒装束の敵が一斉にぞろぞろと現れる絶望感たるや。

5才の少女の空想世界ならではの遠慮のないおぞましさを感じます。

あえて井戸の底を見せない構図にしているのも底知れぬ恐怖を駆り立てます。

 

この他にも、インドで代表的な建築物であるタージマハルなど、

インドの宮殿や墓廟などの名所が様々出てきます。

この映画は、世界24ヵ国以上で撮影されたことも売りなのですが、

個人的にはインドのポテンシャルの高さが

見ごたえに繋がっているように思います。

私たち建築業関係者にはなじみ深い『建築知識』の2025年7月号でも

イスラムの建物と街並みが特集されていますので、

そちらを読んでから映画を見ても面白そうです。

会場には等身大の勇者たちが張り出されていました。

映像も綺麗ですが、もちろんストーリーも魅力的です。

映像作品のために身を犠牲にするスタントマンの主人公が仕事で怪我を負い、

病床で少女に勇者の物語を語ることで、聞き手の少女とその物語に心を救われていく。

物語がもつ力を示し、物語の制作関係者への敬意が込められた作品です。

 

『落下の王国』は、時期をずらして各地で上映されています。

今しかないチャンスかもしれませんので、

皆様も物語を楽しみながらお気に入りのシーンを探してみてはいかがでしょうか?

個人的には、奇しくもインドの仏教聖地サールナートから着想を得て造られた

サールナートホール/静岡シネ・ギャラリーでの鑑賞をお勧めします。

 

 

 

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