建築レポート
旧香川県立体育館をご存知でしょうか?

この建物は丹下健三設計による1964年竣工の建築物で、香川県民に「船の体育館」として親しまれてきたとのこと。
控えめに言って名建築です。
ですが、残念ながらこの体育館は耐震性の問題により、いよいよ解体されることになりそうなのです。
丹下健三氏といえば東京都庁などを設計した日本を代表とする建築家で、
同じ体育館で言えば、東京代々木の国立代々木競技場第一体育館が有名ですが、
ほぼ同時期に計画された旧香川県立体育館は、建築的・文化的に評価されながらも、
昨年12月に解体工事の契約が成立し、本年着工し27年に解体される見通しです。
以下に経緯をまとめておきます
2012年7月:耐震調査で天井板が落下する危険性が判明
2014年7月:耐震改修工事の入札が不調に終わる
2014年9月:体育館の閉館
2020年7月:閉館後、様々な有効活用の検討も、実施には至らず
2023年2月:県が解体方針を決定
2025年2月:解体に関する議決決定。12億円の予算を計上(調査費等含)
2025年12月:解体工事について香川県と請負事業者との間で契約締結
当時の状況やそれぞれの立場で様々な思惑が交錯しており、
本当に何が正しいのか、どうすべきなのかとは言い切れませんが、
ひとつの側面から言えることとして、日本の建設業会は『残す』前提で成り立っていない社会状況があります。
元来、建築基準法が『新築』を前提とした側面が強く、
大きな災害等のたびに法改正が行われ、新しい基準が追加され、それが幾重にも重なって複雑化しているのが現状です。
法改正が行われるたびに『既存不適格』という名の違法建築ではないが現行法に適合しない建築物を大量に生み出しています。
こういった古い建物を残すためには現行法に適合させる必要性があり、
構造計算や施工法などの検討を含め煩雑な作業が伴います。
つまり簡単に言うと、保存の仕方が分からないのです。
決められた解決方法が必ずしもあるわけではないので、
解体して新築したほうが安いと判断して残されなかった事例が数多くあります。
住宅のリフォームで考えてみても、
例えば土台の腐食具合や天井裏の雨漏り状況など、
見えない部分の費用を正しく正確に見積もるのは難しいです。
となると、「船の体育館」のような特殊な形状、構造の建築物となると…
そう簡単には行きませんよね。
ちなみに保存を訴える民間有志団体「旧香川県立体育館再生委員会」は、
2025年11月26日付で香川県知事を相手取り、
解体工事の差し止めを求めて高松地裁に提訴しています。
今後は法廷での議論へと場を移すことになるそうです。
この件、良い形で収束することを願うとともに引き続き経過を見守っていきたいです。
一級建築士 牧田


全て納得したい。

こだわりを実現したい。

デザインにこだわりたい。

他でプランをしてみたが意向が伝わらない!!

一緒に家づくりをするパートナーを探している。

じっくり取組みたい。

人と同じ家はいやなんだ。