目的は、第46回ジャパン建材フェア。
建材メーカーが一堂に会する、年に一度の大イベントです。東4・5・6ホールを使った広大な会場に、所狭しとブースが並ぶ光景は圧巻でした。
「今年は行けなかった」「気になってたけど情報が追えてない」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、一級建築士として実際に会場を歩き回って感じたこと、気になった建材、そして業界の変化について、リアルにお伝えします。
1. ジャパン建材フェアとは?
知らない方のために、まず概要を。
ジャパン建材フェアは、1978年から続く日本最大級の建材展示即売会です。ジャパン建材株式会社が主催し、建築資材や住宅関連機器メーカーが数百社規模で出展します。
対象は工務店、販売店、設計事務所などの建築のプロ。新商品のお披露目、売れ筋商品の展示、そして実演まで行われる、まさに建材業界の一大祭典です。
第46回となる今回の開催概要はこちら。
| 開催日 | 2026年2月12日(木)〜13日(金) |
|---|---|
| 会場 | 東京ビッグサイト 東4・5・6ホール |
| 来場者数 | 1万5,000人超(前回実績) |
3つのホールをぶち抜いた会場は、とにかく広い。
朝から歩き回って、気づけば万歩計が2万歩を超えていました。それくらい見応えのあるイベントです。
2. 今年の注目テーマ「高断熱・災害対策・環境貢献」
今回のジャパン建材フェアでは、展示のキーワードとして4つのテーマが掲げられていました。
- 高気密・高断熱の家づくり
- 災害対策
- 環境貢献
- 非住宅
どれも今の建築業界を語るうえで外せないテーマばかりです。
高気密・高断熱はもはや「当たり前」の時代へ
数年前までは「高断熱住宅」と言えば差別化ポイントでした。しかし今回のフェアを歩いて感じたのは、高断熱はもう「特別なもの」ではなく「標準仕様」になりつつあるということ。
断熱材メーカーのブースでは、従来品より薄くても高い断熱性能を発揮する新素材が多数展示されていました。施工性の向上にも力を入れていて、「高性能だけど施工が難しい」という従来の課題を克服しようという姿勢が各社から伝わってきました。
特に印象的だったのは、断熱と気密を同時に確保できる一体型のパネル製品。リフォーム現場でも使いやすい厚みに設計されていて、新築だけでなく既存住宅の断熱改修にも対応できるのが魅力的でした。
災害対策への意識の高まり
近年の地震や台風の被害を受けて、防災関連の出展が明らかに増えていました。
耐震補強部材はもちろん、停電時に役立つ蓄電システムや、断水時に使える非常用トイレ、防災備蓄キャビネットなど、住宅に組み込める防災設備のバリエーションが豊富でした。
「家は建てたら終わり」ではなく「住み続ける安心」を提供する。
そんなメッセージが会場全体から感じられました。
3. 会場で気になった建材・商品ピックアップ
ここからは、実際に会場で足を止めた建材・商品をいくつかご紹介します。
次世代の窓まわり製品
窓は住宅の断熱性能を大きく左右するパーツです。今回のフェアでは、トリプルガラス+樹脂サッシの組み合わせを前面に打ち出すメーカーが目立ちました。
実際にサンプルを持ってみると、数年前のモデルと比べて明らかに軽量化が進んでいるのがわかります。重さがネックで採用を見送っていた現場でも、これなら提案しやすい。
また、電動シャッターや日射制御ブラインドなど、省エネと快適性を両立するスマート窓まわり製品も充実していました。
環境配慮型の内装材
「環境貢献」のテーマに沿って、再生素材を使った内装材がいくつも展示されていました。
廃プラスチックを再利用したデッキ材、間伐材を活用したフローリング、VOC(揮発性有機化合物)を極限まで抑えた塗料——。
見た目やテクスチャは従来品と遜色なく、「環境に良い=デザインを犠牲にする」という時代は完全に終わったと感じました。
お客様への提案時にも、「環境に配慮した素材です」と自信を持って言える品質です。
施工効率を上げるDX系ツール
建材そのものではありませんが、施工管理や現場のDX化を支援するツールも多数出展されていました。
現場写真の自動整理、施工進捗のクラウド管理、図面共有アプリなど。人手不足が深刻な建築業界において、少ない人数でも品質を落とさず回せる仕組みづくりが加速しているのを実感しました。
4. 特価市場・ガチャ抽選会など展示会の楽しみ方
ジャパン建材フェアの魅力は、展示だけではありません。
恒例の特価市場が熱い
会場の一角に設けられた特価市場は、毎回大人気のコーナーです。
各メーカーとタッグを組んで、現行の売れ筋商品から旧型品までお値打ち品が多数ラインナップされています。通常の仕入れルートでは出てこない価格で買えるチャンスなので、目当ての商品がある方は朝イチで直行するのがおすすめです。
ガチャ抽選会がけっこう盛り上がる
会場で商品を購入すると参加できるガチャ抽選会。
「建材の展示会でガチャ?」と思うかもしれませんが、これがなかなか豪華な景品が用意されていて、会場のあちこちでガチャを回す人の姿が。真剣な商談のあとにガチャを回す、このギャップが楽しいんです。
カフェ・ワークショップで一息
広い会場を歩き回っていると、足も頭も疲れてきます。
そんなときにありがたいのが、会場内に設置されたカフェスペースやワークショップ。コーヒーを飲みながら一息つけるのはもちろん、ワークショップでは実際に建材を使った体験ができるコーナーも。
情報収集だけでなく「体験」できるのが、展示会の醍醐味ですよね。
5. 建材フェアに行って感じた業界の変化
最後に、会場全体を通して感じた業界の変化についてお話しします。
来場者目線のレイアウトに進化
今回のフェアでは、ジャパン建材が会場構成を大幅に刷新していました。
中期経営計画「Value Proposition 27」のもと、「新しい価値を提供できる展示会」を目指したとのこと。実際に歩いてみると、テーマごとにエリアが分かれていて、目的の展示にたどり着きやすい構成になっていました。
以前は「とにかく広くて迷う」という印象がありましたが、今回は限られた時間でも効率よく回れた気がします。
「非住宅」分野への広がり
今回のキーワードのひとつ「非住宅」は、業界の新しい流れを象徴しています。
住宅着工数が減少傾向にある中で、店舗、オフィス、公共施設といった非住宅分野への展開を意識したメーカーが増えていました。
工務店としても、住宅だけに頼らない事業展開を考えるきっかけになりました。
環境配慮は「差別化」から「前提条件」へ
炭素貯蔵量を表示したモデルハウスの展示が象徴的でした。
前回のフェアでも環境配慮型の展示はありましたが、今回はほぼすべてのメーカーが環境への取り組みを打ち出していたのが印象的です。
もはや環境配慮は「やっている会社が偉い」のではなく、「やっていない会社が選ばれない」時代に入ったと感じました。
まとめ:来年も絶対行くべきイベント
ジャパン建材フェア2026、行って本当に良かったです。
今回のフェアで感じたことをまとめると——
5つのポイント
- 高断熱・高気密は「特別」から「当たり前」へ
- 防災は住宅の標準装備になりつつある
- 環境配慮は差別化ではなく前提条件
- 非住宅分野への広がりが加速
- DXツールの進化で少人数でも戦える時代に
建材の最新トレンドを肌で感じられるだけでなく、業界全体がどこに向かっているのかを俯瞰できる貴重な機会でした。
今年行けなかった方も、ぜひ来年は足を運んでみてください。カタログやWebでは伝わらない「実物に触れる価値」が、この展示会にはあります。
一級建築士:櫻井


