建築レポート

2025.10.23

あえての露出

こんにちは、今回は以前訪れた、下田市役所の新庁舎について個人的に感じたことを書いていきます。

↓伊豆下田経済新聞より抜粋

下田市は2010(平成22)年、施設の老朽化に加え、津波被害の懸念もある下田市役所の建て替えを決めた。議論を重ね、さまざまな問題に直面しながらも、コスト縮減や環境負荷の低減を考え、旧稲生沢中学校施設を新庁舎として活用することを決定した。

 

                       ↓施設エントランス

                       ↓打ち放しコンクリートの天井に配置された電線管とダクト群

この整然と配置された設備を見れば、建築業に携わっていない方でも、思わず足を止めてしまうと思います。

徹底的に意識された電線管やダクトの曲げ角度に、設計士と職人さんの誇りを感じますね。 なかなか武骨な空間ですが、天井に 

配置された金属にスポットライトの光が当たり、無機質ながらも温かみを感じます。

                       ↓ホールの様子

市役所の新設という事で、計画段階でも様々な問題が立ちはだかった事と思います。低コストで機能性があり、市民に誇れる姿であることが求められる空間。

そこで、あえて天井を仕上げ材で覆わず、コンクリート打ち放し+露出配管とすることで、内装コストを大幅に抑え同時に配管、空調設備を容易に点検・増設できる構成とすることで将来的な維持管理コストも削減しています。

また、重厚な打ち放しコンクリートと曲げ角度や重なりまで意識された、繊細な配管の対比が美しく、デザイン性と合理性の両立もなされています。

                        ↓外部配管の様子

最後に、ここまで配管がデザインされているにも関わらず、何の配線かわかるようにラベリングされているところは、ある意味力が入りすぎていない感じがして個人的にとても好きです。

 

 

 

二級建築士 西澤

 

 

 

 

 

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