建築レポート

2025.11.03

【大阪帰省|光と食と、空間の余韻】

先日、帰省したタイミングで、久しぶりに友人と食事に出かけました。
訪れたのは、大阪のとあるレストラン。
料理はもちろん美味しかったのですが、それ以上に印象に残ったのは“空間”でした。

木の風合いをそのまま残したカウンター。
低く抑えられた照明。
観葉植物の影が、器や料理にやさしく落ちる光の模様。
そのすべてが、「味」に静かに寄り添っていたように感じました。

料理人の方が言っていたのは「日本の良さを感じられる空間でありたい」という言葉。
器も食材も、そして空間も、あくまで“自然”が主役。
味付けはとても素朴で、だからこそ、照明が抑えられた空間の中で、一口一口が研ぎ澄まされていくような感覚がありました。

実際、空間が暗めであることで、視覚的な情報が整理されて、味に集中できる。
普段よりもずっと静かに、料理と向き合える。
「食べること」に対して、こんなにも意識が向くのかと、少し驚きすらありました。

そして、もうひとつ印象的だったのが、スタッフの佇まい。
料理人の方々は彩度を抑えたグレーやチャコールのTシャツに、同系色のエプロン。
お酒担当の方はシックなシャツ姿で、空間と自然に溶け込むようなスタイリングでした。
“場の一部としてどう見られるか”を徹底して意識されていて、その統一感がとても心地よく、凛とした空気をつくっていた気がします。

 

ちなみにトイレも抜かりなく、間接照明の使い方が絶妙。
壁の素材に陰影がつき、照明が設えの一部として空間に馴染んでいました。


手洗いスペースの天板には無垢の木が使われていて、ここでも「自然素材」が主役に。
“料理以外の時間すら体験として整っている”ことに、脱帽でした。

空間って、料理の味にどう関係するんだろう?
ふと、そんなことを考えた夜。

味の記憶は、舌だけじゃなく、光や空気や会話にも宿るのかもしれないですね。

 

二級建築士 風見

TEN ARCHITECTS DESIGN
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