STYLE#046 地形に寄り添う、音楽の家
WORKS
細長さも傾斜も、暮らしを豊かにする。床の高低差から居場所を生み出した住まい。

STYLE#046 地形に寄り添う、音楽の家

STYLE#046 地形に寄り添う、音楽の家
構造
木造 在来住宅
家族構成
夫+妻+子供3人
エリア
静岡県裾野市
建坪
約35坪

「この土地に、家を建てることはできますか」

お施主様が見つけたのは、東名高速道路のすぐ脇に沿って伸びる、細長く傾斜した土地でした。

一見すると高速道路の管理地のようにも見える特徴的な形状で、住宅地として利用できるのか、まずは慎重な調査から計画が始まりました。

敷地の状態や権利関係、法規を一つずつ確認。

南側の間知ブロックも高さ二メートル未満に抑えられており、がけに関する規制との関係を整理した上で、建築可能であると判断しました。

そして、この土地の細長さや傾斜を無理に均すのではなく、その特徴を室内の豊かさへ変える設計を考えました。

一階には玄関、LDK、水まわり、ピアノ室を配置。

玄関からキッチン・ダイニングまでは同じ床の高さでつなぎ、その先のリビングとピアノ室は一段低くしたスキップフロアとしています。

壁で細かく仕切らなくても、床の高低差によってそれぞれの居場所が生まれます。

床を下げたリビングには、身体を包み込むような落ち着きがあります。隣のピアノ室から音楽が流れ、家族が思い思いの場所で同じ時間を共有する。

段差は空間を分断するものではなく、暮らしに奥行きを与えるためのものです。

二階には主寝室と子ども室をまとめ、家族が集う階と静かに休む階を分けました。

ベランダはキッチン・ダイニング側の高い床に合わせて巡らせ、リビングを一段下げることで、外からの視線を自然に遮っています。

ベランダの格子の内側は洗濯物干し場とし、光や風を通しながら、道路側から生活感が見えにくいよう整えました。

高速道路側にはあえて窓を設けず、その面だけに防音材を施工。

閉じるべき方向は静かに閉じ、光や眺めを取り込む方向へ暮らしをひらきました。

建てにくく見えた土地の細長さと傾斜を、居心地と音楽を楽しむための個性へ変えた住まいです。

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