建築レポート

2026.06.06

津軽塗-工芸品の素材にふれる

結婚式を挙げるひと月前に、

青森の祖父から「渡したいものがある」と連絡があり、

あるものが送られてきました。

開けてみると、花瓶と台座が入っていました。

これは2月下旬ごろ、

スイートピーとチューリップを飾った写真です。

 

台座は祖父のお手製とのこと。

このような材は瘤材(こぶざい)と呼ばれるようで、

意匠的な素材として家具・工芸品に用いられてきたそうです。

樹種は色や地方からして欅か栗だと思われます。

 

そして花瓶は青森の工芸品・津軽塗のものです。

漆塗の一種で長期的な水分に弱いので、

中にプラスチックの水入れが入っています。

 

青森で暮らしていると津軽塗の箸や器などは

よく見かける身近なものでしたが、

小さいころは正直その良さがよくわかっていませんでした。

漆の塗り・磨きを繰り返して

(その丁寧さゆえに「バカ塗り」とも呼ばれます)

48の工程を経て2カ月以上の期間をかけて作られる

津軽塗の価値や有機的な美しさを、

大人になってから少しずつ実感できているように思います。

 

ビビットでカラフルかモノトーン+木、つや消しなどの

現在のインテリアの流行とは反対の持ち味かもしれません。

しかし、新築住宅のような新しい場所にこそ、

津軽塗のもつ時代・素材の多層性、

瘤材のもつ自然の動きのある素材が活きて

空間に奥行を与えてくれるように思います。

 

ちなみに、チャットGPTに

「この花器をTENアーキテクツの住宅空間に置いてみて」

と指示してみたら、こんな空間の画像が仕上がりました。

TENアーキテクツの余白と素材感のコンセプトに添えているでしょうか。

花瓶の多層な漆が光を受けています。

 

祖父のおかげで工芸品の価値に向き合うことができました。

青森の祖父母は長距離移動が難しかったので、

式に参加できない代わりに

ウェルカムスペースに花瓶を飾ったこともいい思い出です。

結婚祝いの品としてこれからも大切に飾っておきますが、

いつかもっとその価値が引き立つ空間を作って飾ってあげたいなと思います。

 

 

 

作成者:の

TEN ARCHITECTS DESIGN
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